初夏の自然と籠を出た小鳥

私は以前ニートだった。ニート中盤戦(6年半あった)、「日本語を忘れたくないなぁ~」と思い、丁度その頃朝日新聞が『こころ』を100年ぶりに連載していたので、一生懸命写したり音読したりしていた。私はその中の『私の自由になったのは』から始まる先生の遺書(二十六)の回がお気に入りだ。何故なら私は引きこもったり出歩いたりを繰り返すニートだったので、例えば3ヶ月程引きこもった後に久しぶりに外に出ると、あの近所の躑躅(つつじ)が咲き乱れている様子とかが妙にリンクしたんだろう。生まれて初めて日本の古い文学がカラーでぐんとリアルに迫ってきたのである。本当にびっくりした。